合気道とは                           


 合気道は他の武道、例えば柔道や剣道のように多くの人に知れ渡っていない。その理由として他武道のように、試合がないことが挙げられる。合気道は、他人と争うことなく、稽古する相手と気を合わせ、お互いの気を練っていく。これは、外に現れる力ではなくて、内なる力を高めるのに非常に効果的である。
 合気道の稽古は非常に厳しいものでなければならない。ややもするとお互いなれ合いの稽古に成り下がる危険があるからだ。この厳しい稽古を通じて、稽古人は人間的な幅を身につけていく。稽古は非常に厳しいが、相手に無理な力を加えるということがないので、老若男女全ての人が稽古に参加できる。合気道の動きの基本は、円運動なので、基本どうりに動けば怪我をすることなく、誰でもが体の柔軟性、心の鍛錬ができる。合気道が試合がないにも係わらず、多くの人に親しまれている所以である。
合気道の技について少し紹介すると、他武道に見られない様々な特徴を見出すことができる。双方が立った姿勢で技を掛け合うのは他武道でもよく見られる。合気道の場合は、更に技をかける方(取り)が膝をついた姿勢で、掛けられる方(受け)が立ったままで稽古する「半身半立」。そして、お互いが膝をついた状態で稽古を行う「座技」。あらゆる体勢で稽古を行う点が他武道と違うところであろう。どんな体勢でも相手を制することができる。また、前述したが、すべての動きが円運動を中心にして動くので、相手に無理な力が加わることなく、自分自身の動きも自然な動きになっていく。この円運動が中心となる合気道の稽古を基礎として、普段の立ち居振る舞いも自然と美しくなっていく。多くの女性が合気道の門をたたく理由の一つであろう。
合気道の技の数は、風が流れる如く相手を流し、相手を制していくので、数限りなく、無限に技が存在するといえるだろう。

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